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古町糀製造所フォトギャラリー
渡邊喜之。 平成21年5月現在、23歳。
彼は、独立してまだ半年もたっていません。
年齢の若さということもあり、どんな写真を撮るのだろうと、かなり不安はありました。とって欲しいイメージがあったので、前日に詳細な打ち合わせをおこないました。写真のイメージだけでなく、私たちがお店を通して何を表現したいのかを伝えました。  

撮影当日。 職人たちは、ただでさえ仕事の現場に踏み込まれることを好みません。 ですが出来上がる写真に不安だった私は、写真を撮る渡邊さんの隣で、どんなところを撮るのか気になって見ていました。  
写真の素人の私には、構図などプロの知識はわかりません。ですが出来上がった写真は、私の予想を超えて、伝えたいものが十分に収まっていました。  
2回目以降の撮影では、趣旨を伝えるだけでよくなりました。職人たちが働く現場に私が入り込むことなく、完全に彼に任せておけるようになりました。
 
1回目の仕事のときです。糀そのものを拡大して撮り忘れていました。特に現場が必要なものではなかったので、糀を彼の事務所に送り撮影してもらうように手配しました。

後日送られてきたデータを見ると、背景は現地の写真。
しかも、朝日の照る時間帯のようです。彼の事務所か
ら現地まで1時間30分もかかります。
「スタジオで撮ったら、とてもつまらなく写ったので・・」と。
麹・糀・こうじ
そんな彼のために何かできないか。  
古町糀製造所は小さなお店ですから、彼の写真を展示するだけのスペースはありません。 そこで考えたのが、ネット上での写真展「古町糀フォトギャラリー」です。
店の資料で登場してくる写真はほんの一部です。彼のおさめた写真は、新潟職人、ひいては日本職人のリアルな姿と現場です。効率という世界とは、真逆にいる彼らのなかに、忘れていた大切なことを見つけられることと思います。
食とは、働くとは、仕事とは・・・。 職人という限定されたものを見るだけでなく、様々なことを感じてとっていただければ幸いです。  
渡邊さんの写真には、そんな力があるはずです。               古町糀製造所 店主
  古町糀製造所からの仕事の依頼は、いつも胸躍る仕事でした。
銀座でご商売されているお店からの依頼ともあり、相当緊張して取り組みました。しかし、一歩現場に踏み込むと、その緊張感は吹き飛びました。全く別のものが待っていたのです。
それは職人が仕事に挑む緊迫感。古町糀製造所が写真に求める条件は、「ありのまま」です。写真を撮るためにポーズをとったり、ということを要求していません。ということは、仕事に打ち込む職人のなかに入り込むことになります。

私は、写真に望遠レンズを使いません。自分から手元にまで近寄ってシャッターを切ります。仕事の邪魔にならないように、しかし、躍動感を追求しなくてはいけません。  
古町糀製造所を支える方々、本物の技をもつひとたちの撮影は、被写体の力、魅力をまざまざと感じるものでした。

古町糀製造所との仕事をきっかけに、この世界を伝えることをライフワークとしていこうと思いました。  
本来なら裏方の私に、このような機会を設けて頂き感謝しております。      写真家 渡邊喜之
 
 
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撮影:渡邊喜之
「古町糀フォトギャラリー」
 
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